中小企業診断士&ファイナンシャルプランナーのさきがけ読書録

このブログは、中小企業診断士&ファイナンシャルプランナーの就職19年目の仕事人(ビジネスマン)の読書録等です。現在、中小企業診断士、東海地域の某大学院(MBA)、行政書士(試験合格のみ)、AFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、ビジネス実務法務2級、ビジネスマネジャー、初級システムアドミニストレータなどの資格を取得しています。

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結論を言おう、日本人にMBAはいらない(遠藤功氏)

先日、遠藤功『結論を言おう、日本人にMBAはいらない』角川新書、2016を読みました。

著者の遠藤氏は、米国でMBAを取得し、コンサルティング会社を経て、13年間、早稲田大学のビジネススクールで教鞭をとり、2016年3月に日本のビジネススクールが、日本における企業や個人のニーズに合致しておらず、まったく機能していない、学生集めに苦しんでいる多くの日本のビジネススクールは、近い将来、新規募集の停止に追い込まれるだろうという思いから退任され、本書を書かれたようです。

本書の書名は、国内の某大学院(MBA、中小企業診断士養成課程)に社会人入学・修了、中小企業診断士登録している私にとっては、引きつけられました。

著者は、日本のビジネススクールが、日本における企業や個人のニーズに合致しておらず、まったく機能していない。
また、海外トップスクールのMBAと日本のMBAの市場価値は大きな差があることを説明しています。
(ほとんどの日本企業はMBAの価値を認めていない。日本のMBAの「質」が低すぎる。)

ビジネススクールは本来、次世代リーダー候補生を鍛えるために、徹底的に考える訓練を行うべき場であるべきである。
具体的には、経営やビジネスに関する知識を詰め込む「入力」だけでなく、それを活かす「出力」する「実践の場(現場)」を提供すべきと主張しています。

また、専門職大学院では、論文執筆を修了要件として課していないことも多いが、論理的にものを考え、自分の主張を練り上げ、事実で証明し、自分の言葉で明晰に表現する思考のトレーニングのためにも、論文執筆を修了要件とすべきあることも述べています。

次世代リーダー育成の解決策として、現場のないビジネススクールではなく、企業内で経験と学習を繰り返す仕組みをつくることで、次世代リーダーを育成することを提案し、すでに実践されています。
過去のデータに基づいた机上の分析ではなく、物事を深く考え、全体を掴み、流れを読み、本質を見抜き、自分なりの最適解を導き出す、部分や個別ではなく、物事を構造的に捉え、全体像を見抜くことが必要であるというわけです。
仕事においても、企画や戦略という名称が付く部署だけでなく、日々のルーチン業務を確実、効率的に遂行することによって価値を創造している現場での地道な努力こそが、力をつける絶好の場であり、次世代リーダー育成のためにもそういった場が重要であるという主張です。

*著者がすでに実施している「次世代リーダー育成プログラム(NLDP:Next Leaders Development Program)」
企業内で、経営トップが直接関与した、課長などのミドル層を対象とした選抜幹部教育であり、経営陣に自社課題を解決するための提言をするもの。
具体的には、次の5つのステップによる次世代リーダーの社内育成。
①自社のビジネスモデルを理解する
②自社の経営課題を抽出する
③検討すべき自社課題を選択する
④具体的な解決策を検討する
⑤実行可能なアクションプランに落とし込む

なお、日本で国際認証を取得しているのは、慶応義塾大学と名古屋商科大学の2校のビジネススクールのみである背景についても説明しています。
日本のビジネススクールの多くは、取得のための膨大な英語での書類作成、実地検査、審査などの労力に対して、国際認証によって受験者が増加するなどのメリットが少ないため、国際認証取得に積極的ではない。
また、国内のビジネススクールは、大学基準協会などの国内の第三者認証評価機関による認証を受けなければならず、日本人相手に日本語で教育を実施しているのであれば、それで十分という考え方もあるというわけです。


本書についての私の考え方は次のとおりです。

ほとんどの日本企業は、MBAの価値を認めていないことは事実だと思います。
費用対効果を考えれば、割に合わないため、入学前に過剰な期待を抱かせることの批判も理解できます。
しかし、日常の仕事から離れる時間を設けて、自分の仕事についての全体像の把握、理論的整理をすること、ビジネススクールの同級生、卒業生など様々な業種・業態・立場で社会人経験を積んでおられる方とのつながりなど費用対効果がはかりにくい部分を考慮すると、自分がどこまでビジネススクールの場を活用するかによってその効果は大きく異なるのではないかと考えます。

ビジネススクールには、「出力」する「実践の場(現場)」がないということも理解できます。
知識の習得だけを考えるならば、ビジネススクールに通う必要はないと思っています。
また、ケース・ディスカッションは、ケースの成功事例の背後にある論理を理解することを目指して、先生や様々な社会経験を積んだ講義参加者での議論そのものに意義があると思いますが、「実践の場(現場)」には遠いと思います。
しかし、私が通っていた某大学院(MBA、中小企業診断士養成課程)では、実際の中小企業の経営診断実習(2年間で5社)が実施されており、中小企業診断士の第1次試験で学習した経営理論の知識を、大学院(MBA)の講義を通じて学び直し、その経営理論を経営診断実習を通じてどのように実践に活かしていくか、具体的には、経営課題の抽出、解決策の策定などについて、チームで議論して、まとめ、提案することは、「実践の場(現場)」であり、自分の能力を高めることに大きくつながたのではないかと思っています。

いずれにしても、本書は、国内のビジネススクールでの学び直しを検討されておられる方には、参考になると思います。
本書の内容も踏まえて、ご自身で入学の有無を意思決定いただければと思います。
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40歳からの会社に頼らない働き方

先日、柳川範之『40歳からの会社に頼らない働き方』ちくま新書、2013を読みました。

本書は、平均寿命が伸びていること、経済環境が変化(ITの技術革新の進展、新興国の能力の高まり)していることから、会社に頼らず、いくつかのことにチャレンジする「複線的な働き方」を提案しています。

平均寿命が以前と比べると20歳程度伸びており、現在40歳の人でも、以前の20歳と同じ立場、残りの人生があるというわけです。
また、日本全体では、成長率が頭打ちで、既存企業の大部分が伸びない中では、「大部分の中高年の人が社内で評価されなくなる」という事態が起こるものの、それはその人の能力という問題よりは、日本経済の構造的な問題であり、社内だけでなく、自分の能力を把握して、外部に説明することで、評価されることが多くあるのではないかということです。

具体的には、
仕事で得た知識を学問で体系づけることで、パターン化できない問題に直面したときの対処法を身につける、
現在のメインの仕事をやめずに、サブの仕事を進めるために、仲間を集めてバーチャルカンパニーをつくる、
ことなどを提案しています。

東海地域の某大学院(MBA)に社会人入学して修了した自分の経験から考えても、著者の意見には共感できます。

大学院(MBA)での学び直しを通じて、自分の仕事についての全体像の把握、理論的整理をすることで、日常業務のレベルを高めることや、自分の新たな基盤を創っていくきっかけになったと思いますし、大学院(MBA)の同級生、卒業生、先輩、後輩など様々な業種・業態・立場で社会人経験を積んでおられる方とのつながりは、様々な気づきが得られる機会にもなっていますし、現在の仕事にも活かしていますし、今後の自分の働き方にも、様々な影響を及ぼしていく可能性を感じます。
40歳からの会社に頼らない働き方 (ちくま新書)40歳からの会社に頼らない働き方 (ちくま新書)
(2013/12/04)
柳川 範之

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自分の小さな「箱」から脱出する方法

先日、アービンジャー・インスティチュート著、金森重樹監修、冨永星訳『自分の小さな「箱」から脱出する方法』大和書房、2006を読みました。

本書では、「自己欺瞞=箱の中に入っている」と分かりやすく言い換えて説明しています。

そして、「自己欺瞞=箱の中に入っている」ことについて、次のように説明しています。
1.自分が他の人のためにすべきだと感じたことに背く行動を、自分への裏切りと呼ぶ。
2.いったん自分の感情に背くと、周りの世界を、自分への裏切りを正当化する視点から見るようになる。
3.周りの世界を自分を正当化する視点から見るようになると、現実を見る目がゆがめられる。
4.したがって、人は自分の感情に背いたときに、箱に入る。
5.ときが経つにつれ、いくつかの箱を自分の性格と見なすようになり、それを持ち歩くようになる。
6.自分が箱の中にいることによって、他の人たちも箱の中に入れてしまう。
7.箱の中にいると、互いに相手を手ひどく扱い、互いに自分を正当化する。共謀して、互いに箱の中にいる口実を与えあう。

さらに、「自己欺瞞=箱の中に入っている」ことについて、次のように説明しています。
・自分への裏切りは、自己欺瞞へ、さらには箱へとつながっていく。
・箱の中にいると、業績向上に気持ちを集中することができなくなる。
・自分が人にどのような影響を及ぼすか、成功できるかどうかは、すべて箱の外に出ているか否かにかかっている。
・他の人々に抵抗するのをやめたとき、箱の外に出ることができる。

本書を読んで多くの気づきを得ました。
仕事でもプライベートでも、問題に直面した際に、人は自分を正当化する傾向にあるように思います。
本音では、「自分が他の人のためにすべきだと感じたこと」があるにもかかわらず、その気持ちに背く行動をとってしまい、そして、その行動を正当化する視点から見るようになってしまう。
分かっていてもなかなか実践することは難しいのかもしれません。
私も同様です。
しかし、上記のような視点があることを常に意識しておくことで、自分の行動が変わっていくのではないかと考えました。
お勧めの書籍です。
自分の小さな「箱」から脱出する方法自分の小さな「箱」から脱出する方法
(2006/10/19)
アービンジャー インスティチュート、金森 重樹 他

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「好きな仕事」は会社を辞めずにやりなさい!

先日、田中和彦『「好きな仕事」は会社を辞めずにやりなさい!』日本能率協会マネジメントセンター、2010を読みました。

本書では、「好きな仕事」をしたいと思っている読者に4つのメッセージを伝えたいと述べています。
『1.最初は、社会人のベースになる基礎的な力をつける必要がある。
 それは、「好きな仕事」にまったく関係ない仕事でも身につけられる。
 今の会社で、今の仕事を、誰よりもできる存在になれば、受け身ではなく、自分本位の仕事のやり方が可能になる。
2.自分の得意分野の力を持てるようになれば、それを起点にして、新たな領域に、仕事を広げることができる。
 次の領域を、自分の「好き」という気持ちに従い見定めて進んでいけば、自ずと「好きな仕事」に近づける。
3.異業種や異職種の経験者を積極的に登用する企業や業界も増えている。
4.「好きな仕事」が明確になっていない人も、目の前の仕事をしていく過程で、「好きな仕事」がはっきりしてきたり、実はその仕事が自分の「好きな仕事」だったことに気づいたり、思わぬ出会いがあるもの。
 自分では「好きな仕事」が明確になっていると思っていても、別なものが好きになったり、単なる誤解や思い込みだったというケースもある。』


自分の10数年の仕事のキャリアを考えてみても、
「最初に社会人のベースになる基礎的な力をつける必要がある」
ことは納得できます。

今、考えると当たり前だと思うのですが、「面白い仕事」や「花形の仕事」は、若手社員には回ってきません。
なぜなら、「面白い仕事」や「花形の仕事」は、多くの社員が希望するわけですから、会社は仕事のできる社員に任せます。
若手社員の中には、自分には十分能力があると思っている方もいるかもしれませんが、基礎的な力が劣っていることが多いと思います。
今はなかなか納得できないかもしれませんが、数年後に当時の自分のことを振り返ってみると納得できると思います。

基礎的な力をつけることで、自分の希望する仕事を任せてもらえる環境を構築することが、「好きな仕事」「面白い仕事」に近づく第一歩になると思います。


また、「目の前の仕事をしていく過程で、好きな仕事がはっきりしてきたり、思わぬ出会いがある」ということも納得できます。

本書の中でも紹介されていますが、経営学で議論されている
「キャリア・デザインとキャリア・ドリフト」
の考え方が参考になると思います。

一般的に自分のキャリアを磨くというと「キャリア・デザイン」が強調されます。
自分を見つめ直し将来の方向性をじっくり考え、それに向かって行動するという考え方です。

しかし、近年のように経営環境が早く変化するようになると、なかなか先を見通すことが難しくなってきています。

そこで、「キャリア・ドリフト」という考え方が出てきています。
「キャリアの漂流」というとイメージが悪いのですが、予期しなかった偶然の出来事や出会いを柔軟に受け止め、偶然の出来事を自分の可能性を広げるチャンスとして活かすというわけです。

「キャリア・デザイン」と「キャリア・ドリフト」のどちらが重要というよりも人生の節目にはしっかりと「キャリア・デザイン」をして、それ以外のときは、「キャリア・ドリフト」で自分の可能性を広げるチャンスとして考えましょうということです。

例えば、予期しない管理部門への異動であっても、社内人脈が拡大することで、再度異動した後に他部署との仕事が進めやすくなったり、予期しない転勤や出向であっても、今まで知らない分野の業務を経験することで資格取得につながったりすることもあるというわけです。

「好きな仕事」は会社を辞めずにやりなさい!「好きな仕事」は会社を辞めずにやりなさい!
(2010/05/27)
田中 和彦

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仕事は5年でやめなさい(松田公太氏)

以前、松田公太『仕事は5年でやめなさい。』サンマーク出版、2008を読みました。

本書は、27歳で起業を志し三和銀行を退行し、タリーズコーヒーを全国チェーン展開まで成長させ、その後、タリーズコーヒー インターナショナルを設立し、アジアにおける外食産業の発展に力を注いでいる松田公太氏による著書です。

松田氏の著書は、2年前に『すべては一杯のコーヒーから』を読み、このブログでも紹介しました。

『すべては一杯のコーヒーから』のエピローグで次のように記述されていたことが今でも印象に残っています。

『夢を持ち、目標を明確にすることである。
そして、個人として持っている夢や目的にシンクロしている会社で働くことが、人間としての成長に繋がる。
社長でも社員でもアルバイトでも、そのことには変わりがない。
私の夢は、「文化の架け橋になる」ということだ。
これが、私の夢であり人生の目的でもある。』


本書の書名にもなっている『仕事は5年でやめなさい。』の意味は、
単に自分の会社を辞めるというわけではなく、
『自分のそれまで5年間のやり方を変え、考え方を変え、バージョンアップしながら5年単位で成長し、本当の実力をつけていく。』
ということを意味しています。

著者の松田氏自身も5年単位で物事を考え、そして、新しいステージで日々研鑽していると言います。

本書を読みながら私自身もこれまでを振り返り、今後の展開をいろいろと考えています。

*私は5年単位ではなく、このブログでも以前紹介した神田昌典氏の「春夏秋冬理論」に基づき12年を1サイクル(「春」「夏」「秋」「冬」を各3年×4季節)で考えています。


景気が悪いから仕方がない、しょうがないのではなく、景気が悪いからこそできること、新たな展開を進めるチャンスがあるのではないかという視点で考えてみることも重要なのではないかと思っています。

仕事は5年でやめなさい。仕事は5年でやめなさい。
(2008/05/23)
松田 公太

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