中小企業診断士&ファイナンシャルプランナーのさきがけ読書録

このブログは、中小企業診断士&ファイナンシャルプランナーの就職19年目の仕事人(ビジネスマン)の読書録等です。現在、中小企業診断士、東海地域の某大学院(MBA)、行政書士(試験合格のみ)、AFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、ビジネス実務法務2級、ビジネスマネジャー、初級システムアドミニストレータなどの資格を取得しています。

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空飛ぶタイヤ(池井戸潤氏経済小説)

先日、池井戸潤『空飛ぶタイヤ』実業之日本社、2006を読みました。

本書は、赤松運送のトレーラーの走行中に外れたタイヤが死亡事故を起こしたことから始まります。

トレーラーは、大手自動車会社のホープ自動車が製造したもので、事故原因は、赤松運送の整備不良とされるものの、本当はホープ自動車の欠陥(リコール)隠しなのではないかとの疑いが出てきます。

中小企業の赤松運送と大手自動車会社のホープ自動車との交渉
中小企業の経営者と大企業組織のサラリーマンの視点の違い
ホープ自動車という大企業の組織内部での争い
ホープ自動車とグループ会社のホープ重工、東京ホープ銀行、それぞれの思惑
など、一つの事故をめぐる様々な視点が描かれている作品です。

自分がそれぞれの立場であったならば、どういった対応をとるだろうか、理想と現実を踏まえて、考えることができる経済小説だと思いました。

本書は、フィクションであり、実在の個人・団体・事件とはいっさい関係はないとされていますが、題材にした事件は読むとすぐにわかります。

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和僑(わきょう)(楡周平氏小説)

先日、楡周平『和僑』祥伝社、2015を読みました。

本書は、前作の楡周平『プラチナタウン』日経BP社、2008の続編です。

前作では、総合商社に勤務していた主人公が社内派閥の関係から出世の道が閉ざされ、巨額の負債を抱える故郷の町長を引き受けることになり、「シルバーよりもゴールドよりも価値のあるプラチナタウン」、永住型老人居住施設、要介護者向けの個室、そして、介護に従事する従業員による町の活性化策を提示する小説でした。

そして、本書では、「プラチナタウン」誘致から7年が経過して、財政再建に目処をつけ、人口減少にも歯止めをかけたものの、5年先、10年先を見ると高齢者人口も減少に転じて、主要産業である農畜産業も従事者の高齢化と後継者不足となることが課題となることが見えてきており、その問題を先送りせず、どう解決するのかということが主題となっています。

詳細は、本書をお読みいただければと思いますが、解決策として打ち出されたのが、本書のタイトルにもなっている「和僑(わきょう)」でした。

世界に羽ばたく事業を確立する。
主要産業である農畜産業を活性化させ、大きな雇用を生み、若い世代を呼び戻す。
地方に永続性のある雇用基盤と新しい産業を創出するため、食という強みを活かして、世界に市場を広げようとする事業でした。

現在の地方創生の取組も総論の計画策定の段階から各論であるどう仕事を創り出してくのかという段階に移行しているように思います。

本書にも記述がありますが、人は年齢とともに情熱が失われ、理想よりも現実を見据え、保守的になると言われています。

しかし、そんな姿勢や仕事はおもしろくないのではないかと思います。
本書を読んで、いつも前向きに「昨日の我に今日は勝つべし」の気持ちで仕事に取り組んでいきたいと改めて思いました。

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少しだけ、無理をして生きる(城山三郎著)

先日、城山三郎『少しだけ、無理をして生きる』新潮文庫、2012を読みました。

城山三郎氏の小説は、本書にも出てきます
戦前に金解禁、軍縮、行財政改革を行い凶弾に倒れた浜口雄幸と井上準之助を主人公にした『男子の本懐』
明治維新後に日本を代表する経済人となった渋沢栄一を主人公にした『雄気堂々』
戦前に総理大臣・外務大臣となり戦争防止に努めたものの、東京裁判で唯一の軍人ではないA級戦犯となり処刑された広田弘毅を主人公とした『落日燃ゆ』
などが代表的です。

そのほかに、戦後の経済政策をめぐる通産省を舞台にした『官僚たちの夏』、幕末の尾張藩を舞台にした『冬の派閥』なども興味深く読んできました。

本書は、そうした小説を書くために調べた人物、実際に会った人たちの中から城山氏が感じた「人間の魅力」について書かれています。

具体的には、
渋沢栄一の吸収魔・結合魔の性格とその一生から「人はその性格に合った事件にしか出会わない」といった話
城山氏の作家経験から「自分を壊すほどの激しい無理をするのではなく、少しだけ無理をしてみることで、やがて大きな実りをもたらしてくれる」という話
広田弘毅の生き方から「自ら地位や名誉を求めて、自らのために計らわず」という話
人間を支えるためには3本の柱「セルフ(自分だけの世界)」「インティマシー(親近性)」「アチーブメント(達成)」をバランスよく充実させておくことが重要という話
などです。

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下町ロケット

現在、TBS系列で日曜夜9時から放送されています「下町ロケット」の原作本である
池井戸潤『下町ロケット』小学館、2010
は4年前に読みました。

 

『下町ロケット』は、第145回直木賞(平成23年/2011年上半期(平成23年/2011年7月14日決定発表))を受賞していることもありましたが、自分の仕事の関係も深い技術系中小企業の苦労や夢などが描かれている作品ということもあり読んだことを覚えています。

主人公の佃航平は宇宙工学研究の道をあきらめ、実家の中小企業である佃製作所を継いで、研究開発・技術開発を進めていたが、特許侵害訴訟や大型ロケットの製造開発を進める大企業である帝国重工との取引交渉などの困難に直面するという話です。

本書の中の次の台詞が印象に残っています。

「会社とはなにか。なんのために働いているのか。誰のために生きているのか。」

佃製作所の佃航平社長が、若手社員の宇宙開発ではなく、現実的な対応をしてもらいたいとの不満の声に対して説明した内容
「仕事っていうのは、2階建ての家みたいなもんだと思う。
1階部分は、飯を食うためだ。必要な金を稼ぎ、生活していくために働く。
だけど、それだけじゃ窮屈だ。
だから、仕事には夢がなきゃならないと思う。それが2階部分だ。
夢だけ追っかけても飯は食っていけないし、飯だけ食えても夢がなきゃつまらない。
お前だって、ウチの会社でこうしてやろうとか、そんな夢、あったはずだ。それはどこ行っちまったんだ」


今後の日本経済の成長のためには、イノベーションや生産効率の改善が不可欠です。
大企業だけでなく、企業の大部分を占める中小企業が、佃製作所のように、夢を持ち、技術力を磨き、販路開拓を進めることができる手助けをしたいと考えています。


「実質国内総生産(GDP)成長率」を「労働投入増加の要因」と「資本投入増加の要因」と「TFP(Total Factor Productivity、全要素生産性)上昇率」の3つに分けて成長の要因を分析すると、次のようなことが分かります。
・1990年頃までは、国内総生産(GDP)成長率は5%程度であったものの、1990年以降は1%程度、2005年以降はほぼゼロ成長となっている。
・成長率の低下の要因としては、次のようなことが推測できる。
 第1に、労働時間の短縮や少子高齢化による労働力の減少によって、労働投入の寄与が減少した。
 第2に、企業の設備投資の低下によって、資本投入の寄与が減少した。
 第3に、2000年代前半のIT投資拡大の影響を除くと、TFP上昇率(イノベーション、生産効率の改善)が低下した。
*ただし、TFP上昇率は、全ての要素を投入量として数値化するのは困難なため、 国内総生産(GDP)成長率から、労働と資本の投入量の変化率を引いた差として算出されます。したがって、労働と資本の投入量が大きく増加しない中で、景気回復によって国内総生産(GDP)成長率が伸びれば、TFPが伸びる結果となることに注意が必要です。

今後の日本経済を考えると、「労働投入増加」は難しいと思われるため、「資本投入増加」、「TFP上昇」のいずれか、もしくは両方が不可欠と考えます。

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疾駆する夢

先日、佐々木謙『疾駆する夢』小学館、2002を読みました。

本書は、多門自動車とい架空の自動車メーカーが、戦後の焼け野原に会社を設立してから、西暦2000年の役員会において、「2002年をめどに、本社をアメリカ合衆国に移す」ことを決定するまでの軌跡を通じて、戦後の日本の自動車産業の成長を描いています。

具体的には、戦後、オート三輪の生産からはじめて、乗用車生産に移っていく過程、ルマン24時間耐久レースへの出場(1960年)と乗用車輸出の開始、マスキー法(アメリカの自動車の排出ガス規制)への対応(1970年)、日米自動車貿易摩擦と対米進出の決断(1980年)などが実際の日本の自動車メーカーであるトヨタ、ホンダの対応とあわせて描かれており、会社の社史や自動車産業の歴史が書かれた書籍よりも熱気が感じられます。

小説の後半の創業者であり主人公の多門大作の追放クーデター(1988年)と1994年の社長復帰、その後の経営回復が、それまでの文章量と比べると非常に薄いのが残念ですが、読み応えのある小説でお薦めです。

 

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