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中小企業診断士&ファイナンシャルプランナーのさきがけ読書録

このブログは、中小企業診断士&ファイナンシャルプランナーの就職20年目の仕事人(ビジネスマン)の読書録等です。現在、中小企業診断士、東海地域の某大学院(MBA)、行政書士(試験合格のみ)、AFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、ビジネス実務法務2級、ビジネスマネジャー、初級システムアドミニストレータなどの資格を取得しています。

難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!(山崎元氏、大橋弘祐氏書籍)

先日、山崎元、大橋弘祐『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』文響社、2015を読みました。

本書は、経済評論家の山崎元氏に、出版社(文響社)の大橋氏がお金の増やし方について質問し、説明を聞いた内容を書籍にしています。

お金や資産運用について詳しくない方が、難しい理論の説明ではなく、質疑応答の会話を通じてお金の増やし方の理解が進む良書と思います。

基本的な考え方は、実にシンプルで、
・大儲けしようとせず、年間プラス5%程度の運用を目指す。
・家は買わない方が無難なことが多い。仮に買うとすれば新築マンションは避けて、住宅ローンをなるべく早く返済する。
・生命保険には入らず、入ったと思って貯蓄・運用にまわす。何かあったときは貯蓄から使う。
・自分の現在の貯金から、当面の生活費を除いた上で、絶対に減ってほしくない「安全資産」と増えるかもしれないし減るかもしれない「リスク資産」に分ける。
・覚える金融商品は、個人向け国債(変動10年型)と投資信託(手数料の安いインデックスファンド)。手数料が高い外貨預金はやらない。
・「安全資産」で個人向け国債(変動10年型)を買い、「リスク資産」で投資信託(手数料の安いインデックスファンド)を買う。
・手数料の安いネット証券会社でNISA口座を開き、利用できる人は確定拠出年金も利用する。
というものです。

1年で資産を2倍にするような大儲けは、簡単ではありません。
しかし、年間プラス5%程度の運用であれば、実現可能です。
たかが5%と思われるかもしれませんが、複利効果を踏まえると、14.4年で2倍になります。
本書にも出てきますが、「2倍になるまでにかかるおおよその年数=72÷利率(%)」で計算することができます。
利率5%であれば、「72÷5%=14.4年」となります。

本書を読むと、お金の増やし方に近道はありませんが、全く不可能な道でもないことがわかります。
お薦めです。


テーマ:資産運用 - ジャンル:株式・投資・マネー

生命保険の罠&生命保険は入るほど損&生命保険の嘘(後田亨氏)

先日、
後田亨『生命保険の罠』講談社+α文庫、2012
後田亨『生命保険は「入るほど損」?!』小学館、2015
後田亨、大江英樹『生命保険の嘘』小学館、2014
を読みました。

著者の後田氏は、日本生命の営業職を約10年、複数社の保険を扱う保険代理店で約5年を経験し、現在、生命保険の有料相談業務で生計を担っている方です。

著者は、生命保険について
「販売手数料など契約に要するコストと、商品別の保険金支払い実績といったパフォーマンスの双方が開示されていない。」
「「不安を安心に変えましょう」などという曖昧なコピーで販売されている。」
と警鐘を鳴らしています。

そして、お客に冷静な判断をさせない生命保険の営業手法として、
①おまけで釣る
②極論に振る
③信者にする
について、具体的に説明しています。

また、生命保険の営業に対する対策として、
「営業担当者を質問攻めにする」
「お勧めプランについて、営業担当者も入っているのかを聞き返す」
「営業担当者が入っている生命保険とその保険に入っている理由を聞く」
などはファイナンシャルプランナーの資格を持つ私が読んでも実践的な内容であると思いました。

著者は、保険に加入しなかったことで受ける経済的打撃を想定した時に不可欠と思えるのは、「小さな子供がいて貯蓄も少ない世帯主が、自身の万が一に備える保険」くらいであり、医療保険、がん保険、介護保険、貯蓄型保険などはほとんど検討に値しないと主張しています。

ファイナンシャル・プランナー(FP)<ファイナンシャル・プランニング技能士>として、私も民間の生命保険は、あくまで公的保険の補完だと考えています。
医療費のうち個人が負担するのは、原則として3割であり、7割は公的医療保険で負担される、さらに、「高額医療費制度」があるため、ひと月あたりの自己負担額は上限が設けられている、ということを前提に支払う保険料と得られる保険金のコスト・リターンを検討することが重要です。
*毎月の支払額だけでなく、総支払額を意識することが重要です。

また、自分の貯蓄が十分にある方は、民間の生命保険に保険料を払うよりも、その保険料を貯蓄に回した方がお金の自由度が高く有効だと思います。
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テーマ:ファイナンシャル・プランナー(FP) - ジャンル:ファイナンス

個人型確定拠出年金iDeCo活用入門(竹川美奈子氏)

先日、竹川美奈子『個人型確定拠出年金iDeCo活用入門』ダイヤモンド社、2016を読みました。

本書は、法律改正によって、2017年1月から対象者が拡大された「個人型確定拠出年金(通称:iDeCo(イデコ))」の概要と活用方法を説明した書籍です。

2017年1月以降は、それまでの自営業者や勤務先に企業年金のない会社員に限定されていた対象者が、60歳未満の人は原則誰でも加入できるようになりました。

「個人型確定拠出年金(通称:iDeCo(イデコ))」は、公的年金の補完的な役割を担う私的年金の充実を図るための制度です。
したがって、運用したお金は、原則60歳以降に、一時金か年金の形で受け取ることになっており、運用成果によって受け取る金額も変わってきます。

iDeCo(イデコ)には、「拠出時」「運用時」「給付時」の税制上の優遇措置があります。
「拠出時」には、掛金が全額所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象となります。生命保険等の個人年金保険の控除よりも節税効果が大きい。
「運用時」には、運用益が非課税となります。
「給付時」には、退職所得控除や公的年金等控除の対象となり、税負担が軽減されます。

購入する運営管理機関(金融機関等)は、一つの機関としか取引はできず、運営管理機関によって運用商品や口座管理手数料、サービスに差があるので、長い付き合いとなるため、慎重に検討することが必要となります。

口座管理手数料は、加入時手数料とは異なり、毎月発生する費用となります。
口座管理手数料そのものは、掛金が全額所得控除の対象となり、その分の所得税や住民税の節税効果と比較すると、大きな金額ではありませんが、運営管理機関による差は、運用期間が長くなると、大きな差になることに注意が必要です。

なお、運営管理機関の検討には、確定拠出年金教育協会のHPが参考になります。
http://www.dcnenkin.jp/

本書にも記載が出てきますが、iDeCo(イデコ)を活用するかどうか、どの運営管理機関(金融機関等)で、その商品で運用するかについては、iDeCo(イデコ)だけでなく、自分の金融資産の運用全体の中で考える必要があります。
iDeCo(イデコ)は、掛金が全額所得控除の対象と運用益が非課税となることから考えると、元本確保型は自身で定期預金などを購入して、iDeCo(イデコ)では、長期的なリターンが期待される株式に投資する投資信託を中心に購入・運用するという使い分けです。

「個人型確定拠出年金(通称:iDeCo(イデコ))」といっても、特別な運用方法があるわけではありません。
制度の内容をよく理解して、自分の金融資産の運用全体の中でどのように活用していくかを考えていく必要があるといえます。


テーマ:資産運用 - ジャンル:株式・投資・マネー

臆病者のための億万長者入門

先日、橘玲『臆病者のための億万長者入門』文春新書、2014を読みました。

本書は、著者の前作であり、本ブログでも紹介しました
『臆病者のための株入門』『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』
の内容も取り込み、不動産投資についての記述も追加した書籍です。

本書では、まずお金持ちになるための方法は次の「お金持ちの方程式」から、3つしかないことを説明しています。
「総資産=収入-支出+(資産×運用利回り)」
1.収入を増やす
2.支出を減らす
3.資産を上手に運用する

さらに、資産運用を考える上では、預金金利や株式投資などの金融資本だけでなく、人的資本を含む総資本を考えることが大事であることを説明しています。
1.総資本=人的資本+金融資本
2.金融資本=金融資産+不動産+年金資産+相続資産など

例えば、年金問題を個人的に解決するのであれば、金融資本の運用よりも先に、人的資本の運用を考えるべきというわけです。
日本人の平均寿命に比べて定年という強制解雇が早すぎるわけであるから、労働市場のなかで自分の価値を高め、年齢にかかわらず稼げるようになることが人的資本の運用の視点というわけです。

株式運用については、
1.株式市場は、誰も未来を知ることはできない。
2.株価が20年で10倍以上なるような「黄金時代」は(おそらく)終わってしまった。
3.個人投資家は株式市場の中でもっともリスク耐性が低い。
という前提をもとに、
「株式市場の暴落を待って、株価が回復するまでドルコスト平均法で世界市場全体に連動して動くインデックスファンドに分散投資する」
ということです。

また、為替リスクについては、前著の『臆病者のための株入門』でも説明されていたように、
長期的には為替レートは購買力平価に収斂する(インフレなら通貨は下落する、デフレなら通貨は上昇する、よって、市場の裁定によって為替レートがモノの値段を同じにする、名目レートに比べて実質レートは大きく変動しない)、
長期的には実質金利は同じになる(金利の高い通貨は下落する、金利の低い通貨は上昇する)、
ことから円建てか外貨建てかは問題にならないと説明されています。

さらに、不動産については、賃貸と所有でどちらが得かということは結果論であり、市場経済では絶対に得をするということはありえないことについても説明されています。
簡単に説明することは難しいため、本書をお読みいただければと思いますが、例えば、不動産(マイホーム)を所有するための資金を株式などの運用に回して配当を受け取る場合と比較すると、配当額が大きければ賃料が実質的に無料になる場合もあり得るというわけです。
要するに、不動産投資と株式投資のどちらが儲かるかという話なのであり、地価が上昇を続ける場合は借金をして不動産投資をした方が株式投資よりも儲かったという話であることを説明しています。
さらに、不動産については、市場の構造から、一次情報の周囲にいる投資家と比較して、素人が不動産の「掘り出し物」の物件を見つけることは不可能である「情報の非対称性」の弊害が大きい市場であることも説明しています。

本書を読んで感じたことは、投資の原則は、やはり「リスクとリターンは正比例している」ということです。
有利な投資機会は、自分のところに来る前に投資のプロが持っていってしまっているのが当然という意識で、自分に理解できない投資はしない、ゆっくり時間をかけて検討してリスクとリターンを理解してから意思決定することが重要だということです。

テーマ:お金の勉強 - ジャンル:株式・投資・マネー

内藤忍の資産設計塾(第4版)

先日、内藤忍『内藤忍の資産設計塾(第4版)』自由国民社、2015を読みました。

以前、このブログで紹介した内藤忍『60歳までに1億円つくる術』幻冬舎新書、2009が、資産運用の基本的な考え方を書いた書籍に対して、本書は、「人生の目標を設定し、それを達成するために「いつまでにいくら」必要なのかを考える」という基本は同じですが、そのための資産運用方法についてまとめられていることが異なります。

具体的には、
・資産運用のためのアセットアロケーション(どの資産にどれだけ投資するか配分を決めること)の重要性
・インデックス運用とアクティブ運用の違い
 →個人投資家が自分で銘柄を選んで市場平均を上回るには高いスキルが必要なため、まずはインデックス運用で市場平均を着実に取りにいく
・積立投資(ドルコスト平均法)の効果と限界
 →インデックス運用の投資信託の毎月積立が有効
  ただし、将来的に上昇する資産でなければ、最終的には利益に結びつかないことも認識しておく必要あり
  (インデックス運用する市場<例えば、日本株式、外国株式の市場>全体が中長期的に成長することが前提となっている)
・外国資産は保有しないことがリスク
 →資産の大半を日本円で保有することは円安リスクを取っていることになる
などの資産運用の基本的理論を紹介したのちに、
・投資信託、ETF(株価指数連動型上場投資信託)、海外ETF、日本株式、日本債券、外国債券、FX(外国為替証拠金取引)、REIT(不動産投資信託)などの説明
・アセットアロケーション(日本株式、日本債券、外国株式、外国債券、流動性資産、その他)の方法とモニタリング、リバランスの方法
・実物資産(不動産、金、ワイン)での運用方法
などについて説明しています。

これから資産運用を考えている方は、
「簡単に儲かるうまい方法はない」
「無料相談が手軽でお得という考えではなく、「価値>価格」を考えた相談やセミナーの選択が必要」
ということを念頭において本書のような入門書から勉強を始めて、実際の投資を開始することをお勧めします。

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