中小企業診断士&ファイナンシャルプランナーのさきがけ読書録

このブログは、中小企業診断士&ファイナンシャルプランナーの就職20年目の仕事人(ビジネスマン)の読書録等です。現在、中小企業診断士、東海地域の某大学院(MBA)、行政書士(試験合格のみ)、AFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、ビジネス実務法務2級、ビジネスマネジャー、初級システムアドミニストレータなどの資格を取得しています。

項羽と劉邦(司馬遼太郎氏歴史小説)

先日、司馬遼太郎『項羽と劉邦(上・中・下)』新潮文庫、1984を読みました。

「項羽と劉邦」というと、高校時代の古典・漢文の時間に「四面楚歌」という言葉の語源になった話として勉強したことは覚えているものの、実際の話はよく知らないまま現在に至っていました。

そんな中、司馬遼太郎氏が、『項羽と劉邦』を書いていることを知りました。
司馬遼太郎氏の歴史小説は、これまでも何冊か読んでいますが、いずれも日本の歴史小説であり、中国の歴史小説は初めてでしたが、日本の歴史小説と同様に、楽しく小説の世界に引き込まれました。


小説の舞台は、秦の始皇帝が没したあとの圧政に対する民衆の反乱から、秦の滅亡、滅秦の盟主である項羽による楚と劉邦の漢との楚漢戦争期です。
武勇に優れ秦を滅ぼした楚の項羽は、田舎町のごろつきであり、動乱の中で人々に担がれたものの、戦いに弱かった劉邦に最終的には負けてしまいます。
そして、劉邦は漢帝国を興します。

なお、「四面楚歌」は、最終的に追い込まれ城にこもった楚の項羽が、城外の四面から楚の故郷の歌が聞こえ、漢軍に楚の兵が寝返り、天が己を滅ぼし運命が極まったことを悟り、その後、城外に討って出て自刃したことが語源とされています。

また、劉邦の部下である韓信は、「背水の陣(はいすいのじん)」で有名な戦闘で勝利した人物です。

項羽が没したのは、紀元前202年と言われています。
「四面楚歌」「背水の陣」の四文字熟語から、日本では戦国時代のような印象もありますが、日本では弥生時代(紀元前10世紀頃から紀元後3世紀中頃まで)にあたり驚きます。

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我が名は秀秋(矢野隆氏歴史小説)

先日、矢野隆『我が名は秀秋』講談社、2015を読みました。

「小早川秀秋」、日本の歴史をご存知の方は、豊臣秀吉の親族であり、1600年の関ヶ原の戦いで、西軍(石田三成方)に属しながら、東軍(徳川家康方)に寝返り、その数年後に死去した人物として、よく知られています。

本書では、その「小早川秀秋」を従来の人物解釈は勝者がつくった歴史であるとして見直し、聡明な人物として描いています。

小早川秀秋は、豊臣秀吉の正妻の兄の子であり、豊臣秀吉から見ると甥にあたる人物です。
一般的には、子に恵まれなかった豊臣秀吉の親類ということで、愚者でひ弱な人物であったものの、豊臣秀吉の意向で、戦国武将として毛利家を支えた毛利元就の息子である小早川隆景の養子として、小早川を名乗ることになったと言われています。

本書でも、前半は小早川隆景の養子となったものの、自身の能力に自信が持てない人物として描かれています。

しかし、小早川隆景と出会うことで、自身の能力に目覚め、豊臣秀吉亡き後の豊臣家の衰退を見極め、関ヶ原の戦いの戦況を読み、当初から東軍(徳川家康方)に味方することを前提に西軍(石田三成方)に属しながら絶妙な機に兵を動かし、東軍(徳川家康方)を勝利に導いた人物として描かれています。

そして、それゆえに、徳川家康から恐れられ、関ヶ原の戦い後に暗殺され、過剰なまでの人格誹謗が流されたという大胆な解釈に基づいて、本書は描かれています。

これまで読んできた歴史小説とは異なる視点であり、新鮮であり、興味深かったです。

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駒姫(武内涼氏歴史小説)

先日、武内涼『駒姫』新潮社、2017を読みました。

時は永禄4年(1595年)、関白である豊臣秀次は、叔父である太閤豊臣秀吉から謀反の疑いをかけられ自害に追い込まれようとしていました。

その少し前、山形の大名である最上義光の娘であり、東国一の美女として名高かった駒姫は、豊臣秀次に見初められ、側室になるべく、京都の聚楽第に入ります。

駒姫が京都の聚楽第に入るとほぼ同時期に、豊臣秀次は謀反の疑いがかけられたため、駒姫は豊臣秀次に聚楽第で一度も会っていない。
一方、豊臣秀吉からは、駒姫も含む豊臣秀次の妻子39名を処刑せよという命令が発せられます。
最上義光の処刑を回避するための様々な工作は上手くいくのかということが、本書の主題となっています。

豊臣秀吉は、関白を甥の豊臣秀次に譲ることを決めたものの、その後、淀君がお拾(後の豊臣秀頼)を産むと事情が変わり、お拾に自分のあとを継がせるために、豊臣秀次が邪魔になったことが豊臣秀次への謀反の疑い・自害につながったと言われています。

歴史は勝者がつくると言われるため、豊臣秀次の自害に至る経緯、その背景、真実は、今現在もはっきりしていない部分があると言えます。

しかし、豊臣秀次が自害に追い込まれ、そして、その妻子が処刑されたことは事実です。

その妻の側に立って、事態の推移、その理不尽な経緯を描いた本書は、教科書に数行書かれる歴史ではなく、そこに人の生死があり、それぞれの苦悩があったことを描いていると言えます。
これまで読んできた歴史小説とは異なる視点であり、新鮮であり、興味深かったです。
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決戦!関ヶ原

先日、伊東潤ほか『決戦!関ヶ原』講談社、2014を読みました。

本書は、1600年(慶長5年)9月の天下分け目の「関ヶ原の戦い」を次の7人の著者が、関ヶ原の戦場に参戦した7人の武将をそれぞれ描いた共著となっています。

・伊東潤氏…徳川家康
・吉川永青氏…可児才蔵
・天野純希氏…織田有楽斎
・上田秀人氏…宇喜多秀家
・矢野隆氏…島津義弘
・冲方丁氏…小早川秀秋
・葉室麟氏…石田三成

「関ヶ原の戦い」については、これまでも多くの著者が多くの著書を書いてきています。
本書は、これまでとは違った視点での「関ヶ原の戦い」を描いた共著となっており、7人の武将の話はそれぞれ異なる視点で描かれているものの、なぜか本書を通した共通な話でもあるように感じられる読後感のある著書となっています。

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弾正星(花村萬月氏歴史小説)

先日、花村萬月『弾正星』小学館、2014を読みました。

本書は、戦国時代の松永弾正久秀を主人公とした歴史小説です。

松永弾正久秀は、「三悪事」と言われる主家三好家に対する謀反、室町幕府第13代将軍・足利義輝の弑逆、東大寺大仏殿焼き討ちを行い、京都・畿内を勢力下に置いたものの、織田信長が足利義輝の弟・足利義昭を奉じて上洛してくると、織田信長に降伏して家臣となります。
しかし、その後、上杉謙信、毛利、石山本願寺などの反信長勢力と呼応して、織田信長に叛き、最期は茶道具「平蜘蛛」と共に信貴山城で爆死するという戦国時代の下剋上の典型的人物です。

一方で、織田信長が安土城を築城する以前に天守閣や鉄砲に対する実利的な備えをもった多聞山城の築城や茶人としての高い位置づけ、将軍や神仏など既存の秩序にとらわれない考え方は、織田信長が自身のさきがけとして見ていたのではないかとの視点で本書では描かれています。

そして、松永弾正久秀が死ぬ間際に、彗星があらわれ、人々はそれを「弾正星」と呼んだことから書名となっています。

戦国時代の生き方を現在の基準で考えることは難しいのではないかと思っています。
松永弾正久秀は、悪か己の生き方を貫いただけなのか、そんなことを考えながら、一気に読み終えました。
お薦めです。
弾正星弾正星
(2014/07/25)
花村 萬月

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