中小企業診断士&ファイナンシャルプランナーのさきがけ読書録

このブログは、中小企業診断士&ファイナンシャルプランナーの就職19年目の仕事人(ビジネスマン)の読書録等です。現在、中小企業診断士、東海地域の某大学院(MBA)、行政書士(試験合格のみ)、AFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、ビジネス実務法務2級、ビジネスマネジャー、初級システムアドミニストレータなどの資格を取得しています。

駒姫(武内涼氏歴史小説)

先日、武内涼『駒姫』新潮社、2017を読みました。

時は永禄4年(1595年)、関白である豊臣秀次は、叔父である太閤豊臣秀吉から謀反の疑いをかけられ自害に追い込まれようとしていました。

その少し前、山形の大名である最上義光の娘であり、東国一の美女として名高かった駒姫は、豊臣秀次に見初められ、側室になるべく、京都の聚楽第に入ります。

駒姫が京都の聚楽第に入るとほぼ同時期に、豊臣秀次は謀反の疑いがかけられたため、駒姫は豊臣秀次に聚楽第で一度も会っていない。
一方、豊臣秀吉からは、駒姫も含む豊臣秀次の妻子39名を処刑せよという命令が発せられます。
最上義光の処刑を回避するための様々な工作は上手くいくのかということが、本書の主題となっています。

豊臣秀吉は、関白を甥の豊臣秀次に譲ることを決めたものの、その後、淀君がお拾(後の豊臣秀頼)を産むと事情が変わり、お拾に自分のあとを継がせるために、豊臣秀次が邪魔になったことが豊臣秀次への謀反の疑い・自害につながったと言われています。

歴史は勝者がつくると言われるため、豊臣秀次の自害に至る経緯、その背景、真実は、今現在もはっきりしていない部分があると言えます。

しかし、豊臣秀次が自害に追い込まれ、そして、その妻子が処刑されたことは事実です。

その妻の側に立って、事態の推移、その理不尽な経緯を描いた本書は、教科書に数行書かれる歴史ではなく、そこに人の生死があり、それぞれの苦悩があったことを描いていると言えます。
これまで読んできた歴史小説とは異なる視点であり、新鮮であり、興味深かったです。
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

駒姫 三条河原異聞 [ 武内 涼 ]
価格:1944円(税込、送料無料) (2017/6/11時点)


テーマ:歴史・時代小説 - ジャンル:本・雑誌

決戦!関ヶ原

先日、伊東潤ほか『決戦!関ヶ原』講談社、2014を読みました。

本書は、1600年(慶長5年)9月の天下分け目の「関ヶ原の戦い」を次の7人の著者が、関ヶ原の戦場に参戦した7人の武将をそれぞれ描いた共著となっています。

・伊東潤氏…徳川家康
・吉川永青氏…可児才蔵
・天野純希氏…織田有楽斎
・上田秀人氏…宇喜多秀家
・矢野隆氏…島津義弘
・冲方丁氏…小早川秀秋
・葉室麟氏…石田三成

「関ヶ原の戦い」については、これまでも多くの著者が多くの著書を書いてきています。
本書は、これまでとは違った視点での「関ヶ原の戦い」を描いた共著となっており、7人の武将の話はそれぞれ異なる視点で描かれているものの、なぜか本書を通した共通な話でもあるように感じられる読後感のある著書となっています。

テーマ:歴史・時代小説 - ジャンル:本・雑誌

弾正星(花村萬月氏歴史小説)

先日、花村萬月『弾正星』小学館、2014を読みました。

本書は、戦国時代の松永弾正久秀を主人公とした歴史小説です。

松永弾正久秀は、「三悪事」と言われる主家三好家に対する謀反、室町幕府第13代将軍・足利義輝の弑逆、東大寺大仏殿焼き討ちを行い、京都・畿内を勢力下に置いたものの、織田信長が足利義輝の弟・足利義昭を奉じて上洛してくると、織田信長に降伏して家臣となります。
しかし、その後、上杉謙信、毛利、石山本願寺などの反信長勢力と呼応して、織田信長に叛き、最期は茶道具「平蜘蛛」と共に信貴山城で爆死するという戦国時代の下剋上の典型的人物です。

一方で、織田信長が安土城を築城する以前に天守閣や鉄砲に対する実利的な備えをもった多聞山城の築城や茶人としての高い位置づけ、将軍や神仏など既存の秩序にとらわれない考え方は、織田信長が自身のさきがけとして見ていたのではないかとの視点で本書では描かれています。

そして、松永弾正久秀が死ぬ間際に、彗星があらわれ、人々はそれを「弾正星」と呼んだことから書名となっています。

戦国時代の生き方を現在の基準で考えることは難しいのではないかと思っています。
松永弾正久秀は、悪か己の生き方を貫いただけなのか、そんなことを考えながら、一気に読み終えました。
お薦めです。
弾正星弾正星
(2014/07/25)
花村 萬月

商品詳細を見る

テーマ:歴史・時代小説 - ジャンル:本・雑誌

戦雲の夢(司馬遼太郎氏歴史小説)

先日、司馬遼太郎『戦雲の夢』講談社文庫、2006を読みました。

本書は、戦国時代に四国統一を果たした長曾我部元親の息子である長曾我部盛親を描いた歴史小説です。

豊臣秀吉の死後の翌年、長曾我部盛親の父である長曾我部元親は、今後の方針を残すことなく亡くなり、長曾我部盛親は偉大な先代の跡を継いぐことになります。

徳川家康、石田三成の東軍、西軍の政局に取り残される中で家督を継いだ長曾我部盛親は、西軍(石田三成方)についたものの、関ヶ原の戦場では、徳川家康に内通していた吉川広家によって、戦うことなく敗軍となり、その後、四国土佐の領地没収となります。

その後、長曾我部盛親は、大坂冬の陣、夏の陣に豊臣方の武将として参加します。
しかし、その想いは豊臣家への恩ではなく、自分のすべてをかけてみたいという想いであったと描かれています。

本書と合わせて、長曾我部盛親の父親である長曾我部元親氏の四国統一の生涯を描いた『夏草の賦』、
関ヶ原の戦いの功績から土佐の藩主になる山内一豊の生涯を描いた『功名が辻
を読むと、複数の視点で長曾我部盛親の生涯を見ることができ面白いと思います。

また、関ヶ原の戦いによる長曾我部氏の家臣の子孫と山内氏の家臣の子孫との対立が、幕末の土佐藩内の対立にまでつながっている視点で『竜馬がゆく』を読むのも面白いと思います。

新装版 戦雲の夢 (講談社文庫)新装版 戦雲の夢 (講談社文庫)
(2006/05/16)
司馬 遼太郎

商品詳細を見る

テーマ:歴史・時代小説 - ジャンル:本・雑誌

成り上がり(安田善次郎氏、江上剛氏小説)

先日、江上剛『成り上がり』PHP研究所、2010を読みました。

本書は、幕末明治にかけて活躍した安田善次郎氏を描いた小説です。

安田善次郎氏は、富山県富山市出身で、富山藩の下級武士の家に生まれました。
「千両の分限者になる」「太閤秀吉のようになる」という目標を立て、幕末に奉公人として江戸に出て、苦労を重ね、やがて安田銀行(現在のみずほフィナンシャルグループ)を設立し、目標を実現します。

私は、仕事の関係で富山市に住んでいた際の自宅近くに安田家の家屋があったところを整備した「安田記念公園」があったこともあり、以前から安田善次郎氏のことは知っていましたが、一般的には、あまり知られていないように思います。

東京大学の安田講堂は、安田善次郎氏が寄贈したものですし、安田銀行(現在のみずほフィナンシャルグループ)だけでなく、安田火災海上保険(現在の損害保険ジャパン)、安田生命保険(現在の明治安田生命保険)も設立し、日本の四大財閥の一つである安田財閥を築きました。

苦労を重ね、立身出世し、日本経済に貢献し、多くの寄付も行った安田善次郎氏の生き方は、賞賛されるものであると思います。


日本では、お金持ちを批判する意見もあります。
「金持ち優遇策である」という政策批判もよく聞きます。
お金持ちは何か悪いことをしてお金持ちになったに違いないという考えが背景にあるのかもしれません。
しかし、お金持ちを貧乏にしても、多くの人がお金持ちになるわけではありません。

富を創出したお金持ちには、その富を国内で消費・投資していただき、日本経済に貢献してもらうべきです。


本書の著者である江上氏は、本書のあとがきで、一般的には軽蔑の気持ちを込めた表現である「成り上がり」を敬意を込めて書名として使っていると述べています。
21世紀の日本にこそ、安田善次郎氏のような「成り上がり」が必要ではないかと考えているためです。

私も同意見です。
日本に元気を取り戻すためには、立身出世し、成り上がり、富を創出するお金持ちを増やしていかなればなりません。

お金持ちを批判しても、自分も日本も元気になりません。
批判も大事なことですが、知恵を出すことに頭を使うようにしたいと思います。

成り上がり成り上がり
(2010/11/02)
江上 剛

商品詳細を見る

テーマ:ビジネス・起業・経営に役立つ本 - ジャンル:本・雑誌

FC2Ad