中小企業診断士&ファイナンシャルプランナーのさきがけ読書録

このブログは、中小企業診断士&ファイナンシャルプランナーの就職19年目の仕事人(ビジネスマン)の読書録等です。現在、中小企業診断士、東海地域の某大学院(MBA)、行政書士(試験合格のみ)、AFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、ビジネス実務法務2級、ビジネスマネジャー、初級システムアドミニストレータなどの資格を取得しています。

人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか

人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか
(2007/03)
水野 和夫

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以前、水野和夫『人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか』日本経済新聞出版社、2007 を読みました。

本書のまえがきにも書かれていますが、本書では1995年を境に戦後経済の常識の多くが通用しなくなった原因は、グローバリゼーション下で生じている大きな構造変化によるものとして、次の3つのことを指摘しています。

1.帝国の台頭と国民国家の退場=帝国化
 経済的な「国境」が限りなく低くなり、国境内に権力を及ぼす「国民国家」の力が衰退する一方、金融帝国と化した米国や、中国・インド・ロシアなど旧帝国の台頭が著しい。

2.金融経済の実物経済に対する圧倒的な優位性=金融化
 グローバリゼーション下では、先進国の賃金が抑制される・低下する。
 金融政策は緩和基調となり、実物経済に比べてマネーが膨張するから、資産価格が上昇しやすくなり、先進国経済は資産価格依存症に陥る。

3.均質性の消滅と拡大する格差=二極化
 ・世界経済の二極化…先進国とBRICs
 ・先進国内の二極化…英語圏(経常赤字国、内需が強く輸入が増加しても成長率は加速)と非英語圏(経常黒字国、内需成長率が鈍く成長率は高まらない)
 ・日本国内の二極化…大企業・製造業(グローバル経済圏企業)と中小企業・非製造業(ドメスティック経済圏企業)

 21世紀の勝者は、国境を越える巨額の資本や「超国家企業」。
 また、近代と決別できた国が高金利国となって勝者となる。
 21世紀の敗者は、容易に国境を越えることができない先進国のドメスティック経済圏企業や中流階級。
 また、近代の仕組みに拘泥する国は超低金利国となって敗者となる。

そして、筆者は「グローバル経済の本質」を19,20世紀の200年にわたって実質賃金が上がり続けた「労働者の時代」から「資本の反革命(資本による利潤回復運動)」への動きであると述べています。

さらに、筆者はこのようなグローバリゼーション下において、
「グローバル経済圏企業(全雇用者の4%)」は高度成長を目標とすべき。
「ドメスティック経済圏企業(全雇用者の70%強)」は成長を目標とするのではなく、雇用を確保し定常状態で均衡することを目標とすべき。
と提案しています。

本書は、グローバリゼーションにより大きく構造変化したと言われる世界経済についてまとめられた良書であると思いました。

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