中小企業診断士&ファイナンシャルプランナーのさきがけ読書録

このブログは、中小企業診断士&ファイナンシャルプランナーの就職19年目の仕事人(ビジネスマン)の読書録等です。現在、中小企業診断士、東海地域の某大学院(MBA)、行政書士(試験合格のみ)、AFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、ビジネス実務法務2級、ビジネスマネジャー、初級システムアドミニストレータなどの資格を取得しています。

凄い時代(堺屋太一氏)

先日、堺屋太一『凄い時代』講談社、2009を読みました。

本書で堺屋氏は、今回の世界的な不況は、著者が長年主張している「物財の豊かさが人間の幸せ」と考える「近代工業社会」から「満足の大きさこそ人間の幸せ」と考える「知価社会」への文明の転換点に起因していると述べています。

また、2009年の世界経済は政策支援の「集中治療室」状態であり、遠からず世界不況の「二番底」が来る。
そして、2011年から本当の衝撃が走る革命的改革期がはじまるだろうと考えています。

ただし、堺屋氏は、現在の文明の転換点を書名にもしている「凄い時代」と捉えており、「酷い時代」「大変な時代」ではなく、「おもしろい時代」であると主張しています。

これまでに経験したことがないことが起きることに対して、「大変だ!大変だ!」と悲観的に捉えるのではなく、変化を楽しみ、新たな成長分野に撃って出る大きな機会であると認識しているわけです。

日本の改革についても次の6つの柱をかかげています。
1.官僚主導から国民主導へ(公務員制度の改革)
 入省時の試験合格で得た資格(身分)を得た者は能力意欲に関係なく出世する一方、新しい技術や情況に応じて必要な適任者でも幹部になれない現行制度を打破する。
 官僚が主導する官僚内閣制から本来の議院内閣制に戻す。官僚は政策の選択肢を示して、内閣の判断を仰ぐ。
2.地域主権型道州制への移行
 近代工業社会に適した中央集権(東京一極集中)から知価社会に適した地方分権への移行
 「府県合併型道州制」ではなく、国の権限分野を限定して各地方単位の同州に民政のほとんどを委ね各道州が競い合う「地域主権型道州制」への移行 
3.財政改革は最後の改革
 財政改革は他の改革のあとで行われる「最後の改革」でなければならない。
4.教育の目的を変える(知価社会で生きられる日本人)
 近代工業社会に適した人材ではなく、知価社会で価値ある人材を育成する。
 教育の供給者に競争を導入する(学校設立の自由、学校選択の自由、教師・教材採用の自由)
 教育に対する寄付の奨励
5.楽しいグローバル化
 嫌々の開国ではなく、積極的な文明開化。「いいとこどり」の発想。
6.世界に先駆ける「好老文化」
 「好若嫌老」は、過去の経験よりも新しい習得を大切に考え、肉体的敏捷さが喜ばれた近代工業社会の発想。
 「満足の大きさこそ人間の幸せ」と考える「知価社会」では、巨大な高齢者の満足は高齢者にこそ分かる。
 高齢者に誇りと楽しみを与えるような商品開発ができれば爆発的な需要となる。


文明の転換点という大きな視点をもってグローバリゼーションの下での繁栄を考えることは重要なことであると思います。
そして、さらに重要なことは、我々の生活する「地域」の繁栄のために自分たちには何ができるのか、何をすべきなのかをあわせて考えることではないかと思いました。

凄い時代 勝負は二〇一一年凄い時代 勝負は二〇一一年
(2009/09/02)
堺屋 太一

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