中小企業診断士&ファイナンシャルプランナーのさきがけ読書録

このブログは、中小企業診断士&ファイナンシャルプランナーの就職19年目の仕事人(ビジネスマン)の読書録等です。現在、中小企業診断士、東海地域の某大学院(MBA)、行政書士(試験合格のみ)、AFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、ビジネス実務法務2級、ビジネスマネジャー、初級システムアドミニストレータなどの資格を取得しています。

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経営戦略を問い直す(三品和広氏)

先日、三品和広『経営戦略を問い直す』ちくま新書、2006を読みました。

著者は、経営戦略の使命は10年単位の長期利益の追求であり、競合他社との利益のぶん取り合い合戦ではなく、新たな市場取引を創造することにあると考えています。

また、個別商品の仕様や価格の設定、原価低減策や販売促進策は、実務部隊の戦術であり、戦略とは分けて考えています。

そして、経営戦略の核心は、「立地」「構え」「均整」にあると述べています。

「立地」とは、「需要があって、供給が少ない事業をどのように選ぶか」というポジションの視点です。
「構え」とは、基本設計の視点で、著者は経営資源の配分を3つの視点でとらえています。
一つ目は、「既存事業のグローバル展開(地域展開)」
二つ目は、「新規事業の創造による多角化(多角化の程度と構成)」
三つ目は、「既存事業をベースとした垂直統合」
「均整」とは、全体像、パッケージングで見る、ボトルネックをなくす視点です。

「立地」と「構え」は、用語は様々ですが、多くの経営戦略理論でも説明されているように思います。
しかし、「均整」については、意外と見落とされていることがあるように思います。

そして、著者は、「立地」「構え」「均整」の経営戦略は、分業体制に組み込まれた部課長ではなく、全体を見渡せる経営者が担い、個々の事業を「どのようにしたい」というビジョンとそれを実現する方策は事業部長が担うべきであると説明しています。

分業によって効率を上げることはできるが、経営の真髄は、個別の要素を組み合わせ、まとまりのある全体を形作ることにあるというわけです。

一方で、著者は、戦略の普遍性について問題提起もしています。
よく考えると当たり前なのですが、普遍性があるということは、誰が考えても同じ結論に至るということであるため、すべての企業が同じ戦略を選び、そして、その結果、企業間の差別化ができず、長期利益の獲得ができないという構図になってしまうというわけです。

つまり、普遍的な戦略があるのではなく、戦略という様々な型を経営者が状況に応じて選択していくのであると、私は理解しました。

このことから、著者は、戦略そのものを選ぶことはできず、人を選ぶことで戦略を間接的に選ぶ視点が重要であり、日本の多くの企業は、戦略がない「戦略不在」ではなく、人選を間違えることによって、戦略が機能していない「戦略不全」に陥っていると分析しています。


本書では、「経営戦略」という何となく分かったつもりになっていることを、様々な視点で問い直していきます。

MBAの取得と中小企業診断士資格の取得を目指して東海地域の某大学院(MBA)に社会人入学して経営学を改めて学んでいる私にとって、本書の視点は非常に重要なのではないかと思いました。

ある程度経営学を勉強してきた方には、非常にお薦めです。


なお、最終章では、
「文系学生に送るメッセージ」
「30代前半の中堅社員に送るメッセージ」
「40代の幹部社員に送るメッセージ」
がまとめられています。

経営を担うことを考えている方には、この最終章を読むだけでも、参考になることが多いのではないかと思いました。

経営戦略を問いなおす (ちくま新書)経営戦略を問いなおす (ちくま新書)
(2006/09)
三品 和広

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テーマ:ビジネス・起業・経営に役立つ本 - ジャンル:本・雑誌

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