中小企業診断士&ファイナンシャルプランナーのさきがけ読書録

このブログは、中小企業診断士&ファイナンシャルプランナーの就職19年目の仕事人(ビジネスマン)の読書録等です。現在、中小企業診断士、東海地域の某大学院(MBA)、行政書士(試験合格のみ)、AFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、ビジネス実務法務2級、ビジネスマネジャー、初級システムアドミニストレータなどの資格を取得しています。

戦略人事のビジョン

先日、八木洋介、金井壽宏『戦略人事のビジョン』光文社新書、2012を読みました。

本書は、長年大手企業の人事部門を歩んでこられた八木氏が、これまでの経験から考える人事のあり方を述べ、それについて組織行動研究をされておられる金井氏が、章ごとにコメントを加えてまとめるという形式になっています。

本書の基本は、人事部門は「戦略性のマネジメント」を目指すべきであり、「継続性のマネジメント」に縛られるべきではないということです。

「戦略性のマネジメント」とは、「現在」を見て、勝つための戦略を立て、それを企業内の各機能に一貫性をもって反映させるマネジメントと説明しています。
「継続性のマネジメント」とは、「過去」を見て、企業における歴史的連続性を重視するマネジメントと説明しています。
人事部門は、ついつい継続性に縛られ、公平性が強調され、思考停止に陥り、戦略性を見失うことが多いため、前例や制度やマニュアルに固執することなく、変革をリードする役割を果たすべきと主張しています。

また、リーダーの育成についても、興味深い分析がされています。
日本人社員の中からリーダーを育成しようとする場合、リーダーがとるべき行動やリーダーの条件を教え込むだけでは不十分であり、自ら問題を発見して、自ら意思決定して、自らチャレンジしていく姿勢を身につけることが必要だと主張しています。
一生懸命に働いて成果を出していても、上から言われたことに従ってばかりの状態では、リーダーではなく、フォロワーのままであり、自分を突き動かし、駆り立てるエンジンを手に入れるために、「自分の軸(価値観、哲学、持論)」を明確化しなければならないというわけです。

人事部門と言うと、管理部門、バックオフィスというイメージを持つ方も多いように思います。
しかし、本書で主張されているように、人事部門は企業戦略に直結する部門でもあります。
人事部門が、継続性、公平性を重視した結果、企業の業績が低下してしまっては、意味がありません。
人事部門だけで企業戦略を策定・推進できるわけではないことはもちろんですが、本書は、企業戦略を推進するために人事部門に何ができるのか、何をすべきかを考えるための良書だと思います。

テーマ:ビジネス・起業・経営に役立つ本 - ジャンル:本・雑誌

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