書名は、「医療保険は入ってはいけない」となっていますが、医療保険についての考え方をまとめた書籍となっています。
本書の中で、私が印象に残った主張は次のようなことです。
・民間医療保険は、病気やケガに対するリスク、不安をきちんと踏まえ、自分の貯蓄や公的医療保険など自分にはどのような準備がすでにあるのか、そこにさらに何を付け加えるのかを検討しながら、必要性や利用法を考えるべき。
・医療費のうち個人が負担するのは、原則として3割であり、7割は公的医療保険で負担される。
さらに、「高額医療費制度」があるため、ひと月あたりの自己負担額が一定額を超えると、どんなに高額でも1%の負担ですむ。
・民間医療保険は、1回の入院でもらえる「入院給付金」は日数に限度がある。
保険期間を通してもらえる「入院給付金」の通算日数にも限度がある。
終身タイプも定期タイプも1入院日数、通算日数に限度があるのは同じ。
・給付金とそのための保険料の上昇分を比較して考える。
私もファイナンシャル・プランナー(FP)<ファイナンシャル・プランニング技能士>の勉強を通じて、生命保険について多くのことを学びました。
本書でも述べられているように、民間の生命保険は、あくまで公的保険の補完だと思います。
また、自分の貯蓄が十分にある方は、民間の生命保険に保険料を払うよりも、その保険料を貯蓄に回した方がお金の自由度が高く有効だと思います。
さらに、保険は経済的リスクに備えるものですから、もらえる給付金とそのための保険料の上昇分を比較して考えることは重要です。
具体的には、入院5日目からの保障と、入院1日目から保障する保険を検討する場合、入院しても1~4日間の入院だと入院給付金をもらえないので損だと考えるのではなく、入院1~4日目の保障を得るために、どれだけ保険料が上昇するのか、また、入院給付金が1日5,000円だとすると、入院4日間で5,000円×4日=20,000円の給付となるが、2万円を自分の貯蓄で備える方法と、その分の保険料を支払う方法のどちらが有効であるのか、を比較して冷静に判断することは重要です。
また、10年間入院給付金を受け取らなければ、生存給付金として10万円支払うという保険を検討する場合、掛け捨ての保険よりも生存給付金がもらえる保険の方がお得だと考えるのではなく、生存給付金がない場合と生存給付金がある場合で保険料がどの程度変わるのか、その差額を自分で貯蓄した場合とどちらが有利になるかを比較して冷静に判断することは重要なわけです。
生命保険は、各社の内容が少しずつ異なっているため、比較が難しいのが現状です。
しかし、多額の金額を長い年月支払うわけですから(毎月の支払額だけでなく、総支払額を意識することも重要です。)、本書のような内容を参考にして、自分のライフプランを考え、自分にあった保険を検討していくことが重要だと思います。
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