星野リゾートは、軽井沢の老舗温泉旅館の4代目経営者である星野佳路社長が、顧客満足度アップと収益力向上の両立を図ることで、軽井沢の老舗温泉旅館から、日本各地でリゾート運営する企業へ飛躍させました。
星野リゾートの経営は、星野佳路社長が、米国コーネル大学ホテル経営大学院でMBAを取得していることもあり、経営学の理論に基づいた教科書通りであると言われています。
本書の中で、星野佳路社長は、
『「経営に教科書なんて役立たない」と疑問を持つ人もいるだろう。
しかし、教科書に書かれていることは正しい。
教科書どおりでうまくいかないとしたら、それは理解が不十分で、取り組みが徹底されていないからに違いない。』
『経営学の教科書というと、グローバルに事業を展開する大企業のためのものであると思う人がいるかもしれない。
しかし、小さな会社の経営にこそ、教科書の理論を生かす意味が大きいと感じている。』
と指摘しています。
「経営学は経営に役立たない」という主張は私もときどき聞きます。
しかし、MBAの取得と中小企業診断士資格の取得を目指して東海地域の某大学院(MBA)に社会人入学している経験から考えると、
「経営学だけで経営はできないが、経営学は経営に役立つ」
と思っています。
「経営学」は、これまでの経営の成功事例を分析して抽出された型の集合であると思います。
複数の型を理解していることで、経営課題の抽出、解決策の策定などを考える際の効率化が図られます。
この意味で「経営学は経営に役立つ」と言えます。
しかし、経営課題の抽出、解決策の策定は、当然ですが、企業ごとに外部環境(自社の機会、自社の脅威)や内部環境(自社の強み、自社の弱み)が異なるため、特定の型に当てはめるだけで導き出されるわけではありません。
基本の型を確実に身につけ、自社にどのように応用するのかをしっかりと考える必要があるというわけです。
この意味から「経営学だけで経営はできない」と考えます。
本書で紹介されている主な教科書は次のとおりです。
参考までにご紹介します。
私も何冊かは読んでいますが、読んでいない書籍については、これから順次読みたいと思います。
マイケル・E・ポーター『競争の戦略』ダイヤモンド社
フィリップ・コトラー『コトラーのマーケティング・マネジメント 基本編』ピアソン・エデュケーション
アル・ライズ、ジャック・トラウト『売れるもマーケ 当たるもマーケ マーケティング22の法則』東急エージェンシー出版部
デービッド・A・アーカー『ブランド・ポートフォリオ戦略』ダイヤモンド社
デービッド・A・アーカー『ブランド・エクイティ戦略』ダイヤモンド社
恩蔵直人『競争優位のブランド戦略』日本経済新聞出版社
恩蔵直人、和田充夫、三浦俊彦『マーケティング戦略』
ヘンリー・ミンツバーグ他『戦略サファリ』東洋経済新報社
ヤン・カールソン『真実の瞬間』ダイヤモンド社
ドン・ペパーズ、マーサ・ロジャーズ『ONE to ONE マーケティング』ダイヤモンド社
ケン・ブランチャード、シェルダン・ボウルズ『1分間顧客サービス』ダイヤモンド社
ケン・ブランチャード他『1分間エンパワーメント』ダイヤモンド社
ジャック・トラウト『ニューポジショニングの法則』東急エージェンシー出版部
アル・ライズ、ローラ・ライズ『ブランディング22の法則』東急エージェンシー出版部
バーンド・H・シュミット『経験価値マーケティング』ダイヤモンド社
内田和成、嶋口充輝『顧客ロイヤルティの時代』同文館出版
グロービス経営大学院編『グロービスMBAマーケティング』ダイヤモンド社
![]() | 星野リゾートの教科書 サービスと利益 両立の法則 (2010/04/15) 中沢 康彦 商品詳細を見る |
- 関連記事
-
- 経営戦略を問い直す(三品和広氏)
- 星野リゾートの教科書
- 現場力復権
テーマ:ビジネス・起業・経営に役立つ本 - ジャンル:本・雑誌