ご冥福をお祈りいたします。
瀧本氏とは面識はありませんが、投資家、京都大客員准教授として、若者向けの情報発信を積極的にされていたり、複数の仕事を通じて、今後の新しい働き方を実践されていたり、まだまだやりたいことがあったと思いますし、多くの方に期待されていたと思いますので、残念に思います。
瀧本氏の著書では、『僕は君たちに武器を配りたい』が印象に残っています。
瀧本哲史『僕は君たちに武器を配りたい』講談社、2011
著者は本書で、資本主義の世界で、稼ぐことができるのは次の6タイプであると述べています。
1.トレーダー…商品を遠くに運んで売ることができる人
2.エキスパート…自分の専門性を高めて、高いスキルによって仕事をする人
3.マーケター…商品に付加価値をつけて、市場に合わせて売ることができる人
4.イノベーター…まったく新しい仕組みをイノベーションできる人
5.リーダー…自分が起業家となり、みんなをマネージ(管理)してリーダーとして行動する人
6.インベスター(投資家)…投資家として市場に参加している人
しかし、コモディティ化が進む現在の社会では、会社から与えられた商品を販売している多くの営業マンが分類される「トレーダー」、ある時期に特定の専門知識を身に付けても、ニーズが社会変化に伴い消えると知識の必要性が一気に消滅してしまう「エキスパート」は生き残っていくことが難しくなると述べています。
また、「英語・IT・会計知識」の勉強は、あくまで「人に使われるための知識」であり、そのような「奴隷の勉強」に時間をかけず、人類が歩んできた歴史や、過去の叡智の結晶である哲学、芸術、文学、自然科学全般について幅広い分野の学問領域を横断的に学ぶことにより、「物事をさまざまな角度から批判的に考える能力」「問題を発見し解決する能力」「多様な人々とコミュニケーションする能力」「深い人格と優れた身体能力」を身に付け、自由人になるための「リベラル・アーツ(教養)」を学ぶべきと述べています。
「物事をさまざまな角度から批判的に考える能力」「問題を発見し解決する能力」「多様な人々とコミュニケーションする能力」は、どのような職種であっても必要な能力であると思いますし、社会を変革していく人材と言える「イノベーター」「リーダー」にとっても重要な能力であると思います。
新しい能力を習得するためには、相応の時間がかかりますが、大学時代にもっと時間をかけて習得すべきだったと後悔するのではなく、これからの時代は、年齢に関係なく、必要と思ったときに、時間を捻出して、新しい能力を習得していくことが重要だと思います。
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